SSブログ
BASARA他CP駄文 ブログトップ

遅すぎた告白。 [BASARA他CP駄文]

この日が来ることを、覚悟していた。
この御時世、生き残るほうが困難なのだから。

だからって。

「なぜ我の目の前で勝手に死んだ。」

西海の鬼の額に手を当ててみると、
夏なのに、不気味な冷たさが神経を貫いた。

これが、死体の体温なのだ、と
呆然とした頭で考えた。

毎日毎日、
しつこいくらいに、
「元就、好きだ。」
「愛してるぞー元就!!!」
なんていってきたあいつが、

毎日毎日、
暑苦しいその腕で、
抱きついてきたあいつが、

逝ってしまった、だなんて。

「死ぬ時は、我と一緒に死ぬと云うたのに。」

あれは嘘だったのか?

問いかけても、
返事は返ってこない。

今思えば、
好きといわれるのも
抱きしめられるのも
全く、嫌じゃなかった。

むしろそれが嬉しくて
どっちかというとそれが好きで。


「・・・我もそなたを好いておったのに。」


伝えるのが遅すぎた。

人を駒としか考えていなかった自分に、
人を愛する心を教えてくれた、
とても心優しき鬼。

「元親、」

もう動かない唇に、
口付けをひとつ、落とした。


(ねぇ神様、)
(あなたはなんて無情なの?)

(ねぇ神様、)
(どうせなら、もうあの人のところへ連れて行って。)

続き*後書き・日記・原稿途中経過

りーでぃんぐ!!


お義兄様と呼ばないで。 [BASARA他CP駄文]


「お義兄様、」

「・・・。」

「なぁ、お義兄、」

「・・・。」

「お・義・兄・さ・ま!!!!!」

「だああああ!!!!煩い!!黙れ伊達!!!
誰がいつテメェの”お義兄さま”になったんだ?!?!
次言ったら、日の目を見ることは無いと思え!!」

「shit!my sweet honeyの兄上だっつのに、
なんだこの違い・・・!!!!とても幸村のbrotherとは思えねぇ・・・!!」

「何とでも言え!!そして死ね!!!」

徳川軍と新たに同盟を組んだ伊達軍の筆頭の伊達政宗は、
俺の唯一無二の弟の幸村を、
はにぃとか何とか呼びやがる。
異国の言葉で「嫁」という意味らしい。

伊達
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す

誰があんなに可愛い弟を
あんな異国かぶれの変な男にやるもんか。

幸村は俺の・・・ゲフンゲフン!!!
もとい、幸村は俺と共にいずれは真田家を天下一の家にするのだ。
今は敵対しているが、いずれ幸村も徳川軍に迎え入れゆくゆくは・・・。

ああいかん!!頬が緩んでしまった。
兎角、俺は可愛い弟を伊達の魔の手から守るべく、
たった一人、戦うのだった。

今日も今日とて俺の傍で、
「お義兄様」などと連呼しやがる。

脳が膿んでいやがるのだろうか?

ああ、腹立たしい!!!
いっつか殺してやる。

だか、伊達の従者の小十郎さんは何だかんだで凄くいい人なもんで、
伊達を殺すに殺せない。

今もさっきのことを小十郎さんに聞いてもらっていたところだった。

「・・・でよぉ、あの野郎、俺をお義兄様なんて呼びやがるんだぜ!?
小十郎さんには悪いが、あいつは頭がいかれていやがる。」

小十郎さんはきゅうりをかじりながら、
笑って俺の話を聞いていた。

「なんだかお前、真田幸村に仕える忍びの猿飛に似てるな。」

小十郎さんの言葉に、俺はぎょっとした。
「はぁ!?どこががあんな猿野郎と似ているんだよ!?」

小十郎さんはうーん・・・唸って、
少し考えた後、おおそうか、と手を叩いた。

「真田幸村の、母親みたいなところだ。」

にこにこと喋る小十郎さんに、
俺は悲しくなり、
「小十郎さんも俺のことなんか分かっちゃくれねぇ・・・!!!!」
と泣きながら小十郎さんの部屋を飛び出した。

くそぅ!!!
俺は絶対、絶っっつ対!!!!!
幸村を守ってみせる!!!!

信之の受難は、続く・・・。

続きを読む


わすれていたのは。(政幸) [BASARA他CP駄文]



「HEY幸村、いい天気だ。散歩でも行くか。」

返事はない。
それに構わず、
奥州の竜は、甲斐の若き虎を抱いて、
表へ出た。

如月の初旬。
空気はキン、と凍るように冷たく、
太陽は、日差しは強いものの、
夏のような厭らしい暑さは持ち合わせてはいなかった。

「So cold!!幸村、お前は寒くないか?」

また返事は返ってこない。
竜はそれを、気にも留めなかった。

竜は若き虎を抱いたまま、丘の上に駆け上がった。
眼下には、雪化粧を纏った山々が連なっていた。

「どうだ幸村、綺麗だろう?
餓鬼の頃、小十郎に叱られて、この丘でよくひとりで泣いたもんだ。」

若き虎は、相槌ひとつ打たない。
ただ、長く美しい栗色の髪が、
風に吹かれてサラサラとなびいていた。

竜は、若き虎を自分の隣に座らせ、肩を抱いた。

「なぁ、幸村。」

若き虎は黙っている。
それでも竜は続ける。

「好きだ、幸村。」

静寂を保つ若き虎と、
それに話しかける竜の間に、
一陣の風が吹きぬけた。

刹那、若き虎の体がグラリと傾き、
竜の手をすり抜け、
枯れた草原の上に倒れた。

竜は、
それをただ、
じっと見ていた。

抱き起こすわけでもなく、
慌てるでもなく、
草原に横たえる若き虎を、
光のない目で見据えていた。

「そうか。」

俺が殺したんだっけ。

竜はポツリと呟き、
若き虎を抱き抱えて、
もと来た道を引き返した。

NEXT>あとがき・日記。

続きを読む


BASARA他CP駄文 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。